最初の数秒で、人は映像を見続けるかどうかを決めます。
ホームページに映像をのせるとき気をつけるべきことは、
いかに飽きさせない映像にするかです。
飽きさせない映像のポイントは、以下の5つだと思います。
テンポ
あまりゆっくりなテンポですと、だんだん眠くなってきます。
それは、学校の授業のようなもので、ただただなんの刺激もなく
先生の話を聞いているだけだと、眠くなってしまうのと同じです。
先生も、時には生徒に質問をしたり、教室内を歩いたり、
チョークを投げてみたりと、変化をつけて、リズミカルに授業を
進めて行かないと、生徒はダレてしまいます。
映像も同様に、ずっと同じシーンやカットを見せ続けるとダレてしまいますので、
頻繁にカットを切り替えたりテロップを出したりするわけです。
そうした切り替えやテロップのだし引きが「テンポ」を作り出します。
演出
よくテレビ番組で「そのとき!」とかやるのが典型的な方法です。
ただ、その後にたいしたことが起こらないと、ただのサギです。
それが何回も続くと、見ている方はさすがに飽きます。
あるいは、派手なCGやモーショングラフィックスで目を引き付けるといった
ことも演出といえるでしょう。
また、音楽や効果音で見る人の聴覚や情緒を刺激する、という方法もあります。
ストーリー性
起承転結がしっかりあれば、次の展開を視聴者が期待してしまう構造にできます。
そうすれば、ある程度の長さのものでも視聴者は見ることができます。
たとえ、長い映像でも、その中に起承転結の構造をいくつも持たせることで、
これが可能となります。
たとえば、ハリウッド映画のオープンニングシーンです。
多くの映画が、最初の数分間で起承転結のあるひと続きのシーンを展開
していることに気づかれませんか?
たとえば、トム・クルーズの『ミッション・インポッシブル』シリーズなどは、
最初の数分間で短い「ミッション」を主人公がやり遂げます。
情報量の最適化
たとえば、ある男の人が、
「私はこういうものです」
と言って、チラリと彼の名刺を見せてきたとしましょう。
もしそこに、
「パブロ、ディエーゴ、ホセー、フランシスコ・デ・パウラ、ホアン・ネポムセーノ、マリーア・デ・ロス・レメディオス、クリスピーン、クリスピアーノ、デ・ラ・サンティシマ・トリニダード・ルイス・イ・ピカソ」
と書いていたら、読めるでしょうか?
「失礼、略してこう呼ばれています」と彼が名刺の裏側を
再び、チラリと見せると、
「ピカソ」
と書いていれば、さすがにチラリとしか見せられなくても、ピカソだとわかります。
このように、情報は時間に対して最適の量というのがあります。
それをオーバーしたり、あるいは少なすぎると見づらいものになりかねません。
長過ぎない
いくら興味をそそるものでも、その内容にあった長さがあります。
それを越えると、やはり飽きられてしまいます。
カメがタマゴを産卵しました、という映像があるとします。
カメの産卵は1時間くらいあるそうですが、それを1時間映像で見続けることは、
結構難しいものがあるように思います。
おそらくは、数分にまとめられた映像でも、十分にカメの産卵の感動を味わうことは
できるのではないでしょうか。
上記に挙げました「飽きさせない映像をつくるためのポイント」は、
数十年間携わってきた舞台やゲームの仕事において、常に意識してやってきたことです。
それは、映像においても変わらない部分だと思います。
いずれも、「受け手」がいて初めて成り立つ世界です。
これらを踏まえた上で、映像制作をお任せいただけたらありがたいです。